「確定申告」の季節が近づいてきました。
確定申告は、個人が1年間に得た所得を申告し、所得税を正しく納付する手続きですが、確定申告をする必要がない人もいますし、確定申告をすると得する人もいます。
ここでは、主に派遣社員と個人事業主の方々を対象に、確定申告について簡単にまとめてみました。自分は確定申告が必要なのか? 何をすればよいのか? 迷ったときに参考にしてください。
今回は、会社などから給与をもらっていた人の場合について見ていきましょう。
◆年末調整した? してない?
年末まで会社など(派遣会社も含まれます)に所属して給与をもらっていた人は、「年末調整」を受けて「源泉徴収票」を受け取ります。(年の途中で就職した人も含まれます。)
年末調整は、勤め先が給与から天引きした所得税を、正しい金額に調整するものです。これにより、給与をもらっている人の大部分は、自分で確定申告・納税する必要がなくなります。
年末調整について、詳しいことはこちらの記事を参考にしてください。↓
http://www.technowave.co.jp/contents/info/tax.html
◆確定申告する「必要がある」人
年の途中で退職して、12月末現在会社などに勤めておらず、年末調整を受けなかった人は、確定申告をする必要があります。
また、年末調整を受けた人でも、給与以外に所得があり、所定の条件に当てはまる場合には、給与とそれ以外の所得を合算して、確定申告する必要があります。
いずれの場合も、勤め先から受け取った「源泉徴収票」をもとに申告書を作成し、源泉徴収票を添付して提出します。退職した場合にも(年末調整は受けませんが)源泉徴収票は発行されます。源泉徴収票が手許にない場合は、勤め先に再発行を依頼しましょう。
◆確定申告すると「得する」人とは?
年末調整では申告できない、医療費や住宅ローンなどの控除がある場合、確定申告すると、所得税が戻ってくる可能性があります。以下、主なものについて簡単に説明します。
・医療費
医療費控除の金額は、次のとおりです。
実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補填される金額-10万円※
※総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%
支払った医療費の領収書を添付して申告します。薬代や、通院の交通費なども含めることができますので、レシートをとっておきましょう。
・ふるさと納税
「納税」と言っていますが、税金を納めるわけではなく、「寄附金控除」の一種です。確定申告するのが原則ですが、ふるさと納税をした自治体(5自治体まで)から送られてくる申請書で「ふるさと納税ワンストップ特例」を申請すると、確定申告が不要になります。ただし、年末調整を受けていて、ほかに確定申告する必要がない人に限られます。また、この場合、所得税からの控除はなくなり、その分も含めて全額住民税から控除されます。
・住宅ローン
住宅ローンを組んで住宅を取得した場合、10年間控除が受けられますが、最初の年だけは確定申告する必要があります。2年目以降は年末調整で申告することができますが、その際に使用する申告書が、10月ごろ税務署から届きます。9年分の書類がまとめて届くので、1年に1枚ずつ使用します。紛失しないよう注意しましょう。
ちなみに、住宅ローン控除は、本来の納税額から差し引かれる「税額控除」ですが、所得税から引き切れなかった場合、住民税からも一部差し引かれます。
◆「失業手当」をもらっていた人は
雇用保険の「基本手当」(いわゆる失業手当)や「再就職手当」などは、所得税がかからないので、収入として申告する必要はありません。
なお、失業中に国民健康保険料・国民年金保険料などを支払った場合は、所得控除の対象になるので、忘れずに申告しましょう。
次回は、個人事業主の確定申告についてです。
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